指揮者村中大祐

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CD Review

2020年7月1日 リリース

実力派ピアニスト、仲村真貴子のシリーズ第1弾。満を持して、本格的なCDデビュー!

ドビュッシー、スクリャービン、ショパン、ヴェルディ=リスト

仲村真貴子 ピアノ・リサイタル

●ドビュッシー Claude Debussy (1862-1918)

版画 Estampes (塔 Pagodes / グラナダの夕暮れ La Soirée dans Grenade /  雨の庭 Jardins sous la pluie)

●スクリャービン Alexander Scriabin (1872-1915)

ピアノ・ソナタ 第3番 嬰へ短調 作品23 Piano Sonata No.3 in F-sharp minor, Op.23

(I. Drammatico  /  II. Allegretto  /  III. Andante  /  IV. Presto con fuoco)

●ヴェルディ(リスト編曲) Giuseppe Verdi (1813-1901) / Franz Liszt (1811-1886)

「アイーダ」より 巫女の踊りと終幕の二重唱 Danza sacra e Duetto finale from Opera “Aida”

●ショパン Fryderyk Chopin (1810-1849)

幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61 Polonaise-fantaisie in A-flat major, Op.61

舟歌 嬰ヘ長調 作品60 Barcarolle in F-sharp major, Op.60

バラード 第3番 変イ長調 作品47 Ballade No.3 in A-flat major, Op.47

[アンコール曲]

●ショパン Fryderyk Chopin

ノクターン 変ニ長調 作品27-2 Nocturne in D-flat major, Op.27/2

(2019年11月22日、東京、渋谷ホールにおけるライヴ録音)         

「その音楽は、生き生きとして情熱的でありながらも、同時にポエティックな表現に満ちており、まさにその点が日本人離れした彼女の最大の魅力となり、多くの聴衆に芸術的な感銘を与えるのだろう」

(アンドレアス・ピストリウス)

音楽家の実力を測るのに、一番的確な作曲家がショパンやスクリャービンだとするなら、仲村の技量は、これまで登場したどんなピアニストをも凌駕するほどの特質を備えていると言える。スクリャービンのソナタ第3番。極めて斬新な構造的な解釈が行われており、スクリャービンに対してこれまで持たれていた、単なる「超自然主義者」のようなイメージも、この仲村の演奏によって完全に払拭されるのではなかろうか?仲村が単なる構造主義者でないことは、彼女のショパンやリストのパラフレーズを聴けば一目瞭然だ。これらは見事な歌謡性に論理が裏打ちされている。また一人、我が国に実力派ピアニストが誕生した瞬間を、あなたは目撃することになるだろう。

Makiko Nakamura 2020

仲村真貴子 Makiko Nakamura piano

2019年、東京を拠点に本格的な活動を始めた実力派ピアニスト、仲村真貴子。2015年以来、すでにヨーロッパでの活動を開始し、各地で絶賛を博して来た。特筆すべきは、彼女の音楽づくりにおける構成力と、その小さな手からは信じられないほどのピアニズムである。ドイツで活躍するピアニストで、彼女の師でもあるアンドレアス・ピストリウスは、「彼女が有する信じられないほど広いレパートリーのいずれにも、瑞々しくも深い洞察力が感じられるのが印象的だ。その音楽は、生き生きとして情熱的でありながらも、同時にポエティックな表現に満ちており、まさにその点が日本人離れした彼女の最大の魅力となって、多くの聴衆に芸術的な感銘を与えるのだろう。」と語っている。

東京藝術大学を卒業後、ドイツのマンハイムで研鑽を積んだ仲村真貴子だが、現地での国家演奏家資格を取得した後は、ベルリンのフィルハーモニー・ホールに登場しシューマンの作品で喝采を浴び、同時にマンハイムやハイデルベルクでのリサイタルでは、ドイツ国内で期待の若手ピアニストとして大きな注目を集めてきた。

これまで数多くのオーケストラとの共演を重ねており、ブラームスのピアノ協奏曲第2番で鮮烈なデビューを飾り、中でもバーデン・バーデンにおけるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番の演奏は、ドイツ国内でも極めて高い評価を受けることとなった。加えて室内楽奏者としても精力的に活動を展開しており、特に声楽家との共演はその数も多く、ドイツ・リートの声楽家のパートナーとして、その地位は揺るぎないものとなっている。

自身初となるCDは、2019年11月のリサイタルをライヴ収録したもの。ドイツ物「以外のもの」から見える、ある種の「ドイツ的なもの」は、独特の論理性と共に「歌」にこだわったものになっている。そこに垣間見えるのは「生命力」とともに「死生観」であるかもしれない。

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